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さい帯血とはどんなもの?出産時に保存や提供できるバンクがある?

[記事公開日]2017/07/15 [最終更新日]2017/07/14
■カテゴリー:出産, 妊婦, 子育て, 病気, 赤ちゃん
■タグ:

出産時にしか採取できない貴重な「さい帯血」。
いま、子供の将来のためにさい帯血を保存する家庭が増えています。
このさい帯血、一体どんな場面で役立つのでしょうか。
将来に備えて、知っておくべきさい帯血についてご紹介していきます。

目次

  1. さい帯血とはどんなもの?
  2. 出産時にさい帯血保存や提供できるバンクがある?
  3. さい帯血保存に当たってのリスクは?
  4. さい帯血が活躍する場面とは?
  5. まとめ

さい帯血とはどんなもの?

さい帯血とは、ママと赤ちゃんを繋いでいる「へその緒」に含まれる血液です。
これはママではなく赤ちゃんの血液で、筋肉や神経、血管等の体のあらゆる部分を作るための「幹細胞」が豊富に含まれているんですよ。

中でも造血幹細胞は赤ちゃんの血液に含まれる事で知られていましたが、1980年代に入ってへその緒にも含まれている事が明らかになりました。
造血幹細胞は人間なら誰でも脊髄に持っているもので、赤血球や血小板等を作り出す細胞です。
誰もが持っている造血幹細胞ですが、中でもへその緒に含まれる造血幹細胞が注目されているのには理由があります。

へその緒に含まれる幹細胞は、成人の血中に含まれる造血幹細胞よりも断然若い細胞である事がその理由です。
若いからこそ適応力も高く、あらゆる可能性を秘めているんです。
造血幹細胞はもちろん、体のあらゆる細胞の元となる細胞がさい帯血には大変豊富に含まれているのです。
このさい帯血が、赤ちゃんの体の元を作ってきたと言っても過言ではないのかもしれませんね。

さい帯血が貴重な理由

さい帯血が貴重とされるのには、出産時にしか採取できないという大きなポイントがあります。
へその緒は赤ちゃんが生まれてすぐに切ってしまうため、採取するチャンスは一生に一度しかないのです。
またこのさい帯血、治療困難と言われている様々な病気を治す可能性を秘めているんですよ。
その上中枢神経や自己免疫機能の修復に役立つ可能性が高いとされているため、医療界でも大変注目されているのです。
さい帯血には赤ちゃんをゼロから作ってきた幹細胞が含まれているのですから、再生力は相当高いと見込まれているんですね。
そして増殖能力も高く適応能力にも優れているため、幅広い患者さんに移植が可能と考えられています。
こうして多くの可能性を秘めているからこそ、さい帯血は貴重とされているのです。

さい帯血が治療に役立つ可能性のある症例

さい帯血は様々な治療への新たな道を切り開く希望として、大変注目されています。
中でも、その効果が期待されている症例があるんですよ。

まずは「脳性麻痺」です。
脳性麻痺は出産時に1000人に2~3人の割合で発症し、脳への損傷によって運動機能の障害を起こしてしまうものです。
現在の医学では脳性麻痺を完治させる方法は見つかっておらず、リハビリによる症状改善が行われるのみとなっています。
そして100人に1人の割合で発症すると言われる「自閉症」、1000人に1~2人で発症する「小児難聴」。
更には交通事故等による「外傷性脳損傷」にも、さい帯血が役に立つと見込まれているんです。
こうした現代医学ではまだ治療法が確立していない症例にも治療の可能性を見出せるのが、さい帯血最大のポイントと言っても良さそうですね。

iPS細胞とは違うの?

再生医療と言えばiPS細胞が大きな可能性を秘めているとされていますが、さい帯血とは違った特徴があるんですよ。
例えばさい帯血が脳神経系や免疫疾患などに有効となっているのに対し、iPS細胞の有効性は不明です。
そして作成機関もさい帯血ならば1日のところ、iPS細胞は数ヶ月の時間がかかってしまうんです。
また最大とも言える違いはコスト面で、さい帯血を自分用に保管していた場合のコストは20~30万円なのに対してiPS細胞の作成コストはなんと数千万円にもなってしまうのです。
その上ガン化しないという特徴や、前項で挙げた様に様々な症例に活用できるという特性もあるんです。
アメリカではすでに人への臨床試験が多く成され、その成果も発表されているんですよ。
白血病等に対しては1万例以上にもなる投与実績があり、安全性が高いのも大きなポイントですね。

この様に、さい帯血は今までの再生医療よりも進んでいて安全なものだとされています。
だからこそ、さい帯血は貴重とされているんですね。

出産時にさい帯血保存や提供できるバンクがある?

大変大きな可能性を秘めている「さい帯血」。
このさい帯血は出産時にしか採取できないため、そうそういつでも手に入るものではありません。
そこで、さい帯血を保存したり提供できるバンクが出来たのです。
さい帯血のバンクには、2つの種類があります。

公的バンク

公的バンクの場合、さい帯血は第三者への治療に寄付される形となります。
そのため費用は一切発生せず、さい帯血を必要とする患者さんのために使われる事になります。

民間バンク

民間バンクでは、さい帯血は生まれた子供本人やその家族のために保存する事となります。
費用は掛かってしまいますが、万が一子供本人や家族に何かあった場合に使用する事が出来る様になっているんですよ。
採取したさい帯血は適切な処理をされて冷凍され、液体窒素のタンクで保管するのが一般的です。
そのため10年20年と、長期での保存も可能となっているのです。

さい帯血は、採取した子供本人が使用する場合には拒絶反応はほとんど起こらないとされています。
また兄弟などの家族が使用するというケースでも、拒絶反応が起こる可能性は激減するんです。
その確率は非血縁者の場合と比べても、2割近く違うと言われているんですよ。
拒絶反応が少なければ少ない程、体の回復は大きく見込める事になります。
だからこそ、さい帯血の民間バンク保存も大きく注目される様になってきているんです。

公的バンクと民間バンクはどちらが良い?

公的バンクは誰かの役に立つ素晴らしいものですし、民間バンクは子供や家族のためになる捨てがたいものです。
どちらも是非活用したいものですが、へその緒から採取するさい帯血の量はそう多いものではありません。
そこで、公的バンクか民間バンクかを選ばなければならないのです。
これに関しては、どちらを選ぶのもママやパパの意向次第です。
双方事前に申し込みが必要な場合が多いですが、出産する病院によっては出産時にさい帯血採取の確認があるかもしれません。
ただし民間バンクを利用する場合には、出産前までに必ず申込みをする必要があるので注意しましょう。

さい帯血保存に当たってのリスクは?

さい帯血採取は、出産してへその緒を切った後に行われます。
へその緒の血管に採血針を刺して採取していくので、ママにも赤ちゃんにも痛みや危険は全くありません。
しかも採取にかかる時間は約5分程度と、大変短時間で済んでしまうんですよ。
また保存に当たってはそれぞれのバンクがしっかりと行ってくれるので、リスクが報告されたケースは今現在ありません。
リスクなく保存・利用できるのも、さい帯血のメリットと言えそうですね。

ただし出産時にしか採取できないのが、さい帯血の最大の特徴でもあります。
出産時を逃してしまうと、二度と採取する事はできないのです。
特に赤ちゃん本人のために保存したいという場合には、採取・保存するチャンスは一生でたった一度しかないんです。
だからこそ出産前までにしっかりと家族で話し合って、さい帯血を保存するかどうかは決めておかなければならないんですね。

さい帯血が活躍する場面とは?

さい帯血はまだ研究段階のものではありますが、実際に様々な場面で活躍しています。
その一部をご紹介します。

  • 脳性麻痺の子供に本人のさい帯血を使用して治療した結果、色覚障害が改善されて12色まで識別可能となった
  • 白血病の子供に姉妹のさい帯血を移植したところ、効果があった

まださい帯血を使った治療は、そう多くありません。
しかし実際に効果が出ている症例があるのも、事実です。
へその緒は、普通ならば出産した際に破棄されてしまうものです。
そんなへその緒に含まれる血液で、誰かの役に立てるのならば是非役立てたいですよね。

また民間バンクでのさい帯血保存を決めた家族は、「子供や家族の将来のための、保険」と考えている人が多い様です。
確かに「あの時さい帯血をとっておけば良かった!!」なんて後悔は、どうにもなりませんよね。
出産時にしか採取できないさい帯血で、これから先に起こるかもしれない子供の病気や事故の症状を改善できるかもしれないのです。

さい帯血を使う機会は、一生来ないかもしれません。
しかし「もし万が一」の事を考えて、保存を決めるというケースが多いんですね。
また使用する可能性が低い家族のためだけに保存するよりも、すぐに必要としている患者さんのために寄付するというママがいるのも事実です。
大きな可能性を秘めていさい帯血だからこそ、破棄せず活用していきたいですね。

まとめ

さい帯血は、出産時にしか採取できない大変貴重な血液です。
再生医療の分野で大きな注目を集めているさい帯血は、まだまだ主流のものではありません。
しかしこれから先、さい帯血を利用する事で様々な病気の改善を見込む事ができるかもしれないのも事実です。

特に民間バンクの場合には、まだ下火で賛否両論ありますよね。
これらに関しては、「未来の可能性への投資」と考えていくのが良いかもしれません。
医療の発展は目覚ましく、どんどんと不可能が可能になっていく時代です。
さい帯血もその発展の一部である事は間違いなく、その可能性がどこまで広がるのかがポイントとも言えそうです。
そんなさい帯血ですから、是非出産前のママには知識を持っておいてもらいたいものなのです。

筆者は第一子出産時、さい帯血の事を知りませんでした。
しかし出産時に医師から説明を受け、公的バンクへの寄付をしたのを覚えています。
それからさい帯血への興味を持ち、第二子出産の際には民間バンクの利用を考えています。
「知らなかった」と後悔するより、知識を持って自分自身で決断していきたいですよね。
さい帯血も出産時以外に二度とチャンスがない訳ですから、是非出産までに家族で相談していきたいですね!

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