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指がかゆい原因は?湿疹や水泡、ぶつぶつは手湿疹?対策&治療方法まとめ

炊事・洗濯などの家事に追われるみなさんは、手荒れが気になっているのではありませんか?

特に冬場になると、さらにひどくなりますよね。

指がかゆくてたまらない、ぶつぶつができてきた、ひび割れて辛いなど指や手のトラブルのお悩みの声が多く聞かれます。

手荒れがもとのこれらの症状は、ほうっておいても決してよくなりません。

そこで、その対策や治療方法をまとめてみました。

指がかゆくなる原因

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指や手のかゆみの原因としてよくいわれるのが、いわゆる「手荒れ」です。

手荒れは、以下の原因が重なって起こると考えられます。

外からの刺激で皮脂が減少

手指はふつう皮脂が分泌することで、皮脂膜が皮膚を保護してくれています。

でも頻繁に手洗いをしたり洗剤を使うなどの刺激で、皮脂が失われてしまいます。

水仕事の多い職業の方や主婦に多く見られます。

皮膚のバリア機能の低下

もともと手指の皮膚は20~30層以上といわれる厚い角質層を持っていて、外的刺激には強くできています。

しかし、汗腺が多いので汗は出ますが、毛穴がないため皮脂はあまり出ません。

ひとたび皮脂が失われて乾燥が起こると、皮膚のバリア機能が低下します。

すると露出した皮膚は刺激に弱くなって、かゆみやかぶれ、湿疹といった症状が出てくると考えられます。

手荒れになりやすい体質

一般的に敏感肌やアトピー体質の人など外からの刺激に敏感な皮膚の人に、症状が現れやすい傾向があるようです。

そして冬になると症状が重くなり、夏には改善する場合が多いです。

指がかゆい時の症状は?

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指の背面や爪のまわりを中心に症状が現われますが、どんな症状なのでしょうか。

主な症状をあげてみます。

初期

だいたい利き手の親指、人差し指、中指などの指先から症状が現われ始めます。

  • 紅斑・・・皮膚の表面は盛り上がっておらず、部分的に皮膚の色が赤くなります。
  • 鱗屑(りんせつ)・落屑(らくせつ)・・・角質がフケのように皮膚からはがれかかったり、はがれ落ちたカサカサの状態をいいます。
  • 小水疱・・・いわゆる水ぶくれのことです。皮膚が膨らんで、盛り上がった部分を指し、中に水様性のものがたまります。
  • 丘疹・・・皮膚がふくらんで、小さく盛り上がります。
  • びらん・・・水疱が破れて表皮がなくなり、ジクジクとただれます。
  • 角化・・・皮膚が硬くなります。

悪化してくると

  • ひび割れ・・・荒れて硬くなった皮膚がパックリと割れてしまいます。
  • 指紋がなくなる・・・皮膚が薄くなって、指紋がはっきりしなくなります。
  • 慢性化・・・症状が慢性的に長く続き、皮膚が厚くなりガサガサ・ザラザラになる苔癬化(たいせんか)がみられます。

どんな病気が考えられる?

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指がかゆくなる病気は、その代表的なものに手湿疹があげられます。

その他にも湿疹やかゆみを伴う病気はいろいろありますので、比べてみましょう。

手湿疹

別名を主婦湿疹ともいいます。

炊事、洗濯など水仕事をする主婦に多くみられるため、このように呼ばれます。

手洗いや洗剤の使用などで皮脂が失われ、皮膚への刺激が加わって症状が起こります。

指先や指の腹から、手のひらや甲が赤くなり、乾燥してカサカサになって角質がはがれ落ちます。

症状が進むと、指の腹がひび割れたり、皮膚が薄くなって指紋が見えなくなります。

赤い丘疹が手指にできると、かゆみを伴います。

慢性湿疹

手の限られた部分のかゆみが強く、かきくずすことで皮膚が赤くなり、それを繰り返すと皮膚がガサガサに厚くなります。

小水疱(水ぶくれ)はなく、症状が長く続きます。

湿疹などがないのに、かゆみが出る皮膚そう痒症のひとつとも考えられています。

不眠が関係していることも多いといわれています。

汗疱(かんぽう)

指の腹や側面、手のひらに、小水疱が突然できて、その後水疱が破れてはがれ落ちます。

かゆみを伴うことがあります。

そのほか、指先の皮膚が膜のようにはがれ落ちるタイプもあります。

こちらは、かゆみはありません。

汗が関わっているともいわれますが、原因ははっきりわかりません。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらの手首に近い部分に、

  • 紅斑
  • 小水疱
  • 膿疱
  • 鱗屑

が現われます。

かゆみや痛みがあることもあります。

足の裏の土踏まずやかかとの縁にも同じ症状が出ることがあります。

原因ははっきりわかりませんが、扁桃腺・鼻・耳などに細菌が感染することが関係することがあります。

手白癬(てはくせん)

手にできる水虫です。

手のひらの皮膚が厚くなり鱗屑があります。

長時間、水仕事をする人に多くみられます。

手白癬がある人は、足や爪にもあるので要注意です!

原因は皮膚糸状菌という真菌(カビ)。

ケラチンというたんぱく質を栄養源としているので、ケラチンの多い皮膚の表面の角層や、角層が変化した爪や毛に感染します。

病院ではどんな治療をするの?

健康診断
病院を受診すると、主に外用薬と内服薬による治療が行われます。

外用薬

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ステロイド外用剤

ステロイド外用剤(副腎皮質ホルモン剤)は、手荒れによる湿疹の炎症を抑える効果が認められています。

また、安全性も科学的に立証されています。

ただステロイド外用剤は、炎症を抑える薬であって、手荒れを治す薬ではないことを知っておかなくてはなりません。

ステロイドの副作用としては、アレルギーを抑えるとともに、免疫や細胞の成長も抑えられます。

長期間使用することで、皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張するなどの症状が現れることがあります。

適正なランクのものを使用することで薬の有効性が高まりますので、医師にしっかりと診断してもらいましょう。

保湿剤

保湿は、ワセリン基材(プロペト)、亜鉛華軟膏などを主に使います。

プロペトは、刺激性が少なく、皮膚が薄くて敏感な場所に使用しても安全な保湿剤です。

乾燥してひび割れて傷口があるようなときには、プロペト+亜鉛華軟膏がおすすめです。

皮膚の状態が改善するにつれて、

  • ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテン)
  • 尿素軟膏(パスタロン、ウレパール)
  • サリチル酸ワセリン

以上も使います。

皮膚のバリア機能が落ちている場合が多いので、こまめに保湿をしていくことが大切です。

ただし、中にはプロペトが苦手、プロペトで荒れてしまうという方もいらっしゃいますので、その時はすぐに主治医に相談しましょう。

内服薬

内服薬

抗ヒスタミン剤

かゆみを起こすといわれるヒスタミンが出るのを抑えたり、出てしまったヒスタミンの作用をブロックします。

強いかゆみをコントロールするために使われます。

かゆみを止める作用、飲み続けることでかゆみを出にくくする作用があるとされます。

抗ヒスタミン剤はあくまでかゆみに作用するもので、手荒れや湿疹を改善するには外用薬での治療が基本となります。

漢方療法

漢方治療では、症状や体質にあわせて、血の巡りを整えたり、冷えを改善する薬が使われることが多いです。

強い赤みや発疹があり、皮膚の熱感がある、掻くと出血しやすいなどの症状には、手の熱を冷まし血を補う「温清飲・うんせいいん」

皮膚が乾燥していて、かゆみがある、搔くと落屑(らくせつ)があるなどの症状には、手の末端まで血行をよくし皮膚の潤いを保つ「当帰飲子・とうきいんし」に効果が期待されます。

自分で出来る対策方法は?

皿洗いをする女性
手荒れの原因は、水仕事などの刺激を受けることで起こるのですが、かといって家事や仕事をやめるわけにもいきません。

ステロイドはあくまでも対症療法です。

外からの刺激をできる限り避けること、保湿剤をしっかり使うこと、が大切になってきます。

また、日常自分で出来る対策を工夫しながら行っていくことも、症状改善につながります。

外からの刺激を避ける

お湯を使うとき、大切な皮脂はお湯に溶け出してしまい、乾燥をまねきます。

水仕事のときは、綿手袋をつけ、その上にゴム手袋か使い捨ての手袋をして作業するようにしましょう。

以下のようなものからの刺激は特に避けたいです。

  • 洗剤
  • シャンプー
  • 手の消毒液
  • アルコール
  • ほこり

仕事などで必要なとき以外は、綿手袋をして手を保護し続けましょう

綿100%の生地は、皮膚の組織に近いため刺激が少ないので、一番おすすめです。

夜寝る前には保湿をしっかり行い、綿手袋で保護して、手の皮膚を休ませてあげましょう。

どのような時にかゆくなったのか、よく観察して、その刺激を避けるように工夫することも大切ですね。

保湿剤を使う

  • ワセリン(プロペト)
  • 尿素軟膏
  • ヒルドイド軟膏
  • 亜鉛華軟膏

以上の保湿剤をしっかりと使うことが大切です。

保湿剤は、1日5~6回以上こまめに塗りましょう。

水仕事の後だけでなく、前にも保湿剤をよく塗っておきましょう。

保護膜をつくり、刺激を防いでくれます。

まとめ

ハンドケア
手湿疹やそれに伴なうかゆみは、困ったことに手を使うほど悪化していきます。

手を休ませるとよくなっていくのです。

でも日常生活を、手を使わないで送ることは無理な話。

外からの刺激をできる限りカットして、しっかりと保湿して、手をいたわってあげましょう。

工夫と努力で、少しずつ症状が改善していきますので、試してみてください!